フードプリンターに使用するインクは、全てが食べられるものでなければなりません。可食インクとはその名の通り食べられるインクのことで、おもに天然色素と合成色素に分けられます。この記事ではその2つの違いやそれぞれの安全性、気になる保管方法などについて解説していきます。
可食インクの種類・特徴
可食インクは大きく分けて天然色素と合成色素の2つに分類され、それぞれで特徴も大きく異なります。可食インクの天然色素インクと合成色素インクの違いについて説明します。
天然色素インク
天然色素インクは天然の原料を使っていることから天然色素インクと呼ばれており、植物あるいは動物体などから色素を抽出してつくられていることがほとんどです。優しい発色が特徴で、ベニコウジ色素やクチナシ色素、アントシアニンなどが代表的です。
天然のものではありますが、食品を着色する目的で使われるため食品衛生法上は食品添加物として製品の原材料一覧に記載されることもあります。賞味期限が短いことも特徴のひとつで、およそ3ヶ月程度しかもたないとされています。
合成色素インク
天然の原料からできる天然色素インクに対して科学的かつ人工的に合成されたインクのことです。天然色素インクは柔らかい色合いが特徴ですが、合成色彩インクはインクのノリが非常によく、鮮やかな発色が特徴です。
また、品質や見栄えが非常に良く、耐光性にも優れています。くっきりと印刷ができることからイラストや写真の再現度が高いというメリットもあります。賞味期限は天然色素インクよりも長く、長期間保存しておくことが可能です。
可食インクの安全性は問題ない?
いくら食べられるとはいえインクを口にしても大丈夫なの?と安全性が気になってしまうという方も多いのではないでしょうか。可食インクは食品添加物として記載されますが、食品衛星法で許可されているものしか使用することができません。可食インクを含めた食品添加物の安全性評価に関してはリスク評価機関で行われており、食品安全委員会が厳正に評価を行っています。
科学的なデータに基づいた評価を行っており、動物を用いた試験も行っているため人体にも影響がないことをしっかりと証明することが可能です。その評価をもとに、厚生労働省によって食品添加物の使用量や使用基準などが決められていきます。このようなことから、可食インクは十分に安全であるといえるでしょう。大量に口にしたり飲料として飲んだりすることはおすすめできませんが、人体には影響がないとされています。
可食インクの保管方法を紹介
可食インクは食べ物であるため、賞味期限があります。そして、賞味期限までもたせるためにも正しい方法で保管する必要があります。まず、食品衛生法に基づいてチェックを行いながら十分に配慮して保管しましょう。基本的には常温でOKなものばかりですが、高温多湿を避けるのがベストです。
インクカートリッジはマイクロチップが破損してしまうおそれがあるため、冷凍や冷蔵に適しません。ボトルに入っている場合は、インクが分離する可能性があるためインクカートリッジ同様に冷凍はしないほうがいいでしょう。ものによって冷凍や冷蔵に適さない場合があり、基本的には高温多湿を避けた冷暗所での保管が正しい保管方法であるとされています。
まとめ
フードプリンターに使用されている可食インクは、それぞれの特徴をうまく生かして使い分けることで綺麗に商品を仕上げることができます。食品添加物ではありますが、人体への悪影響や危険性はなく安全なものがほとんどです。色鮮やかに着色されているからといって過度に心配する必要はありません。可食インクは正しく保管することで長持ちさせることができるため食品衛生法に基づいてしっかりと保管しておくことが大切です。本記事の内容が、フードプリンターを導入する際の参考にしてみてください。